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2020年度 理事長所信


一般社団法人横手青年会議所

理事長 津村 侑弥



【はじめに】

 私達はなぜ、今このまちで生活をしているのでしょうか。
 私は代々受け継ぐ家業の跡取りとして、将来を期待される人生を歩んできました。そんな私に友人は「決まった仕事があってうらやましい」「横手に帰りたくても仕事がない」という言葉をぶつけ、私自身も「帰る場所に仕事はあっても選ぶことはできない」と、お互いが現状に対する不満を言い合った記憶があります。振り返れば、住み暮らす環境に対して、常にどこかで言い訳を探していたように感じます。例えば、横手では経験したいことができない不満、果たして本当にそうなのでしょうか。
ここ横手は冬季の厳しさはありますが四季が明瞭で美しく、豊かな農産物に恵まれ、住民同士が共に助け合い暮らす精神性は他では学ぶことができないものです。また、AI(人工知能)やIoTなどの技術革新が多様な働き方を生み出し、都市部でしかできなかった事業が地方においても実現することができる時代になりました。
しかしながら、横手市が策定した『横手市まち・ひと・しごと創生総合戦略』では、10代後半から20代前半の若者のうち、男性で約6割、女性で約7割の方が就職を主な理由として、市外へ転出していると推察しています。高い割合を維持している現状に潜んでいるのは、青少年が抱く些細な不満の蓄積ではないかと思うのです。
現状を打破するためにも、まずは私達自身が今ここにいることを深く振り返ることが大切ではないでしょうか。ご縁をいただきこの横手で生活をし、数えきれない多くの皆様の支えがあり今こうして仕事に勤しむことができていることを自覚しなければいけません。事業継承や起業など仕事をするきっかけに違いはあれども、これらは押し付けられたものではなく、自らが選択したものであると強く念じる必要があります。その自覚を胸に、1人ひとりがこの場所、このまちを守り、明るい豊かな社会の実現のため、悩み実践し続けていくのが青年会議所であると信じます。その実践の先に、ニーズを把握する力やアイディアを生み出す創造力、実現する行動力が自ずと養われるのです。
ところが、そうであるべきはずの私達自身が地域の可能性、そこに住む人の可能性を心から信じて活動ができているでしょうか。少なからず、1つの諦めが目指すべき目標を縮小させている原因であると思うのです。
 まずは、自らが選択しこの場に立っていることの多大な恩を自覚し、地域やそこに住む人の可能性を心から信じ運動を展開してまいりましょう。来るべき40周年、そしてさらなる未来へと紡いでいくために力強く歩み続けてまいりましょう。



 



【会員の成長、拡大こそが青年会議所の原動力】

 会員数だけがその組織を測るための物差しではありませんが、今年度、当青年会議所の会員は30名を下回りました。人口減少という厳しい社会的状況の中で、先輩諸賢の皆様が苦労を重ね発足し守り抜いてきたこの素晴らしい青年会議所という組織を、私達も紡いでいかなければなりません。
 そのためにも、会員が入会して良かった、青年会議所でしか得ることができない経験をすることができたと感じる環境を作る必要があります。その会員の実感する姿こそが、会員拡大の原動力になると考えるからです。会員1人ひとりの可能性を信じ研鑽に努め、会員拡大を実現します。


 



【地域に寄り添いともに創るまちづくり事業】

 青年会議所がまちのためにできること。これは私達が一方的に考えるのではなく、地域の課題やニーズを把握するところからはじめなければなりません。そうでなければ共感は生まれず、その事業自体の交流人口は限られてしまいます。
より多くの共感を生み地域を巻き込むためには、私達が事業を創造するとき、常に地域に寄り添う姿勢が求められます。2018年に設立した「よこラボプロジェクト実行委員会」ではこれまで、NPO団体及び市内まちづくり団体と協働し、まちのために必要な事業を考え実践してまいりました。このプロジェクトは団体・性別・職業・世代を問わず、まちのために何かをしたいという気持ちだけが共通する市民の交流の場となっています。今年度も「よこラボプロジェクト」を活用し、まちのためにできることを実践してまいります。






【希望(ゆめ)を描き実現する青少年の育成を!】

 乳幼児期の子ども達は日々、目を輝かせて過ごしています。草花や虫、季節の移ろいなど目に映る全てのものが初めて見るものであり、些細な変化を敏感に捉え感動する純粋な心を持っているからです。しかしながら、小学校・中学校・高校への青少年へと成長する階段を駆け上がる中で、現実的な部分を注視するあまり、自分自身や生まれ育ったふるさとへの可能性に限界を感じてはいないでしょうか。
また、子ども達は大人の鏡とも言われます。私達自身も行動を顧みつつ、横手を牽引していく青年との交流を通じて、子ども達に、ふるさとの良さや可能性を感じてもらえるよう行動してまいります。
さらに、東京オリンピックが開催される本年。オリンピックがもたらすものは数多くありますが、総じて可能性を信じ続けること、夢を実現しようと努力する姿に私達は惹きつけられるのだと思います。オリンピックアスリートのように、子ども達には自身の可能性を信じ、希望(ゆめ)を描き実践する青少年へと成長する機会を創出します。






【SDGsのさらなる普及・推進に向けて】

 2015年、国連サミットで採択されたSDGsは持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰1人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。スタートから4年が経過し、社会課題解決に加え事業機会を検討するためにも役立つことから大企業はもとより、中小企業においてもSDGsへの取り組みは一層の拡大をしていくと考えられます。
明るい豊かな社会の実現という青年会議所の理念とSDGsの目標は同じです。これからも日本で最もSDGsに取り組む団体として、当青年会議所はもちろん、会員が主体的に意識し、会社や地域で率先して行動していまいります。






【紡ごう!40周年に向けて】

 当青年会議所は、その前身である横手青年経営者会の発足から18年後に誕生し、2021年で創立40周年を迎えます。創立以来、5年毎にまちづくりに関する政策提言の発表を続けており、本年は2016年より掲げている運動指針『Slow Life in YOKOTE』を検証する重要な年度となります。40周年の先を見据えた新たな運動指針を策定してまいります。






【結びに】

 「この土地は先祖からの授かりものではなく、子ども達からの預かりもの」というネイティブアメリカンの言葉があります。今いる環境は自身が選択したものではありますが、自分だけのものであるという固執や慢心を戒める訓示です。
過去があり、今を選択したこの環境自体も限られた期間、預かっている借り物であると考えれば、次に使う子ども達のために、少しでもより良い環境に整えようと実践するべきではないでしょうか。
JC活動を支える多くの恩に感謝し、自分を信じ地域を信じ行動し続けます。まちとともに、人とともに、かけがえのない仲間たちと、明るい豊かな社会を次代へ紡いでいくために。




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