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2023年度 理事長所信


一般社団法人横手青年会議所

理事長 熊谷 剛



生かされていることに感謝し、生きる道を歩もう


我々の運動を誰かのために展開する。その想いが自律を生み、共感をもたらす


まずは、自分づくり。その先にひとづくり、まちづくり



【はじめに】

 私は生まれつき病弱で、学生時代も入退院を繰り返してきました。入院中、ベッド上で呼吸器や点滴をつけられ身動きが取れず、ジプトーンの模様を数える時間が思い出されます。母に「こんな身体に産んでごめんなさい」と言われたこともありました。でも、今はこれまでの経験に感謝しています。もしこの身体でなければこれまでの経験もなく、私は時間の尊さや機会の有難さに気づかず、それを当たり前と捉えていたでしょう。


  つまらないと感じるのは、
  時間と丁寧に向き合っていないから。


  孤独を感じるのは、
  社会と人がつながっていないから。


 私はかけがえのない仲間と今しかできない運動に全力で向き合うことを誓い、そして、その想いでたくさんの人々を巻き込み共感を得ながら行動してまいります。


 私が入会時、何のために運動を展開するのか、疑問でした。入会当初はなじめず、否定的な気持ちで取り組んでいた自分もいましたが、先輩たちや仲間に支えられ、様々な役職を経験して、運動の素晴らしさに気づかされました。そんな私が今想うこと。その私が会員の皆さんと共有したいこと。

  相手の喜びが我々の喜び。
  まちの喜びが我々の喜び。
  我々の喜びの中に自己成長がある。

  我々が努力すれば努力する人が集まる。
  我々が笑えば笑顔が増える。
  共感が人を動かし、まちをつくる。

 我々の意識に私心が入り込んでいないか、振り返りながら運動に全力で向き合うことを誓い、人のため社会のためを想い行動してまいります。


 青年会議所は「明るい豊かな社会の実現」という目的をもって「修練」「奉仕」「友情」の三信条を基本として活動しております。しかしながら、全国的に会員数の減少が課題となっており、特に退会者の増加が近年問題視され改善しなくてはなりません。
 魅力ある組織にしよう。魅力ある組織には必ず魅力ある人がいます。私は横手JCをこれまで以上に魅力ある人財がいる組織にするための運動を展開します。それは相手のためになることを優先させて行動できる人になること。そのプロセスが自身を律する心を育て、それが自己成長につながり、我々が魅力ある組織に発展する一助になります。

  様々な組織とつながり、相手のWinを見出す、
  Win-Winの関係を構築する。

  我々の運動を良きものにしたいなら
  相手も、まちも良くならないといけない。

 我々は与え続ける、give and give and giveの精神で、自助努力を重んじながら運動に全力で向き合うことを誓い、そのプロセスで生まれる自律とそれを支える仲間を大切に行動してまいります。


【事業方針】
ウェルビーイング事業
 2022年1月5日の日本経済新聞に「ウェルビーイング元年」と掲載されました。ウェルビーイングとは、持続的な生活への満足度や充実度を指すもので、近年注目されています。既存のGDPでは捉えられないものとして、本質的価値の追求や主観的側面の重要性、実感できる豊かさを指標としています。
 我々はウェルビーイングにおける方向性を心身共に健康的な状態と位置づけて、多様性を受け入れる価値観の模索、主観的価値を共感を得て社会につなげることを軸に運動を展開してまいります。

ひとづくり事業
 我々は横手に生まれ、恩恵を受けながら生活しています。その今を我々青年がしっかりとした形で次代に伝えていく必要性を感じます。ここに生まれ育ったからこそできる体験を、今に向き合うからこそできる成長を伝えていきます。何よりそのプロセスの中で我々らしさが生まれ、自分づくりが実現できます。横手の恩恵に気づけること、その想いが次代につなぐ架け橋となるよう運動を展開してまいります。
 
まちづくり事業 
 横手は豊かな自然環境にも恵まれ、住み、学び、人と人が交流しながら発展してきました。しかし新型コロナウィルス感染予防の観点で様々な面で自粛を余儀なくされました。まちを豊かにするには、人と人のつながりの喜びを大切にしなくてはなりません。ゆえに顔と顔を突き合わせて互いの想いと想いが重なりあって生まれる力を意識していきます。
 また、横手は人口減少かつ生産年齢人口割合が減少しています。ゆえに横手市内のみにとどまらず、市外・県外に向けて運動を展開していく必要があります。我々が地域課題に取り組む中で、横手の魅力を発見して様々な面から発信できるよう運動を展開してまいります。

会員の拡大事業
 委員会を設けず、全会員で取り組みます。今年度は4名の仲間が卒業予定です。全ての事業において、会員候補者が我々の課題に向き合う運動の素晴らしさに共感してもらえるよう工夫します。デジタルシフトが騒がれる中、SNSの活用もこれまでの使用用途を分析して広報、情報発信につなげていきます。
 入会目標を10名として、特に若い会員候補者を意識して入会を促します。今後の我々が在り続けられるためにも、ニューノーマルな時代を受け入れ、無理やり入会させるのではなく、彼らを魅了させ、入会したくなるような運動を展開してまいります。

合同事業
 つながりを大事にしよう。我々はこれまでひとづくり事業やまちづくり事業、会員拡大事業を行ってきました。それらは決して単独で成立している事業ではなく、重なる要素が多く、かつその重なりが重要であると捉えます。自分づくりに励む中で起きる自問自答に向き合い、そこにある苦悩や矛盾も含め、積極的に人とつながり関わっていきます。青年会議所には4つの機会があります。
 個人の機会:自己啓発の機会が与えられます。
 地域の機会:社会奉仕活動をする機会が与えられます。
 国際の機会:世界と関わる機会が与えられます。
 ビジネスの機会:新しいビジネスの機会が与えられます。
 今後、担うであろう次世代を育成する機会はすぐそこにきています。これまでの既存事業を踏まえ、新しいつながりを活かす力を意識して、合同事業を展開してまいります。

主体的な職業選択を促す取り組みの事業
 近年、東京や宮城への人口流出が多く、その流れは止められません。しかし、結婚や出産、マイホーム購入等の分岐点に立った時、横手に戻りたくなるような取り組みが必要です。私自身が横手JCの事業に魅了された一人で、小学生時代にスノーフェスティバル事業に参加しました。スノーモービルの試乗が忘れられず、雪国に住む楽しさを味わい、横手に戻ってきました。
 学生時代に地元の活躍している企業を知ること、世代の違う者たちと共に考える機会の中で、自分を真剣に見つめるなど、そういった体験をすることが何より重要です。次代を担う者たちが横手を魅力的であると感じてもらう工夫をし、主体性を持って取り組む力を引き出すことを意識した事業を展開してまいります。


【さいごに】
 我々にどのような役割があり、どのくらい可能性があるのでしょうか。人が生きる上で夢や希望は不可欠であり、そうでないと豊かな人生を歩むことは難しいものです。夢とは何か。学生時代「良い学校に入るために勉強しなさい。良い企業に就職するために勉強しなさい」と言われてきました。良い学校、良い企業とは何を指すのでしょうか。安定した給与が得られることが良い企業の定義なのか。私の考える良い企業とは、業を通じて学び身につけた能力を発揮できる企業です。できないことができるようになることに夢がある。そう考えた時、我々は良い組織でしょうか、既成概念に捉われず、我々が学び知識と能力を発揮できる運動を展開しているでしょうか。
 人は独りでは生きていけません。しかし自分ができる能力が増え、知識をたくさん習得し可能性に挑戦していく体験からさらに学べる連鎖を生むことができるならば、自ずと人と人がつながり、事業は発展していくでしょう。そのために、我々は自助努力をしながらできないことに常に挑戦する姿勢を貫きます。
 近年、心理的安全性という言葉を耳にし、挑戦し続ける集団には心理的安全性が必要であると学びました。Google社の研究によれば「心理的安全性が高いチームとは、仲が悪すぎるでも良すぎるでもなく、目指すゴールや成果のために『健全な意見の衝突』が起こせるチームである」と言われています。我々は、その関係性を構築するためのリーダーシップを発揮すべきです。それは決して事業をこなすことや現実的な選択をしていくことではなく、心理的安全性の環境下にて、常に挑戦する姿勢を示す者こそリーダーのあるべき姿です。我々はそのリーダーのあるべき姿を強く意識して、関わる全ての人の持続可能な「明るい豊かな社会の実現」を目指して運動を展開してまいります。





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