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2012年度 理事長所信

社団法人横手青年会議所
理事長 高橋 司

【はじめに】
 3.11の東日本大震災による被災地の惨状や、原発周辺の放射能の問題等は言うまでありませんが、直接の被害がほとんど無かった横手に暮らす私たちでさえ、しばらく物流の停滞から生活や経済活動に危機感を感じる期間がありました。これを境に今までの価値観やものの考え方が一変したように思います。
 防災意識が高まったのは当然のことながら、電力や生活物質など消費行動に対する意識の変化、食品の安全供給の重要性、また地域内のコミュニティーや人と人の結びつきの大切さなど、これまでも決して軽視はしていなかったつもりのこれらの事柄に対し、震災は否応なしに私たちに意識の見直しを迫ってきたように感じます。
 私たちはこれまで当然のようにあったモノに溢れた暮らしと、それが当たり前であるという価値観を今一度見直し、青年会議所運動を展開する必要があると考えます。


【依存から自立へ つよいまちを目指して】
 私の考える理想のつよいまちとは極端にいうと外界から隔離されても、ヒトとモノとカネそしてエネルギーがすべて市内で循環し賄えるまちです。その実現のためには膨大な数の課題と様々な方策があると思いますが、今年度横手青年会議所の取り組みとして、昨年度まで行ってきた『燃えよ!! 農魂 〜農から興す横手の未来〜』の地産プロジェクトを継承しつつ、基幹産業と言われる農業と他産業への広がりに着目します。
 しかし基幹産業と言われながらも現在の横手の農業の実態は、多くの従事者が市内の多くの土地を占有しているだけで、大多数は基幹産業と呼ぶにはあまりに未熟な家事の延長と言わざるを得ません。ですがこの弱点を克服していくことが、まちのチカラの平均値を大きく押し上げるための一番近道のはずです。またすべての祭事が豊穣への祈りに起源していることからも、食物を育む営みと環境がこの地の文化の原点と言えます。
 これら現状や産業としての成り立ちを踏まえつつ事業を展開していきます。
 このまちがつよくあり続けるために


【これからの未来を担う子どもたちに出来ること、してあげたいこと】
 私自身、子どもが生まれたことでJC活動をすることの意味や、自分の住む地域に対しての意識に変化がありました。自分が子どもの頃には当たり前にあった地域行事や、身の回りの自然環境から得られた楽しかったことなど、経験して印象に残っている事や今の自分を形作っているルーツのようなものを、自分の子どもにも体験・継承させたいと考えるようになりました。
 すべて同じ様にとは無理かも知れませんが、未来を担う子ども達に自分の生まれ育った地を深く知り、愛郷心を持ったひとづくりに繋がる事業を展開します。
 それが必ずまちのチカラになるはずですから


【一人一拡大運動の継続】
 組織においても人はチカラです。
 市内の各地域から色々な業種の会員が増えることで、青年会議所の運動はさらに活性化していきます。2011年度の会員拡大成功を継承し、更なる会員の拡大に向けてみんなで取組みましょう。


【次世代に繋げる事業(企業)継承のために】
 自分が創業者であれ二代目三代目の後継者であれ、いま自分の生業をいかに維持発展させ後世に残してくかは、経営に携わる者の課題の一つだと思います。
 横手で企業活動する各々の事業所がより深く根を張り、このまちを支える存在であり続けるためにJAYCEEである前に、青年経済人としても研鑚を積んでいきましょう。


【会員のみんなへ】
 横手青年会議所の運動に取り組むにあたって私からお願いしたいのは、今の自分よりも少しだけ『背伸び』して欲しいということです。
 組織上の役職だけでなく個々の事業での取り組みにおいても、今の自分に出来て当たり前のことをこなして満足していても成長はありません。今の自分には出来ないことでも、頑張れば出来そうなことに対して少しだけ『背伸び』をして積極的に取り組んで欲しいのです。
 一年後、それが必ず皆さんの身の丈になるはずです。


【新たな指針、20万人都市の創造に向けて】
 30周年の節目を経て横手青年会議所はこれまで過去5年間指針としてきた『UNITY Concept’06』に代わり、今後5年間の新たな指針として『20万人都市の創造』という壮大な目標を掲げました。この横手に多くの子どもが生まれ、多くの人が横手で職に就き、また多くの人が横手に移り住み、多くの人がこの横手で生涯を終えられるよう、青年会議所の運動によりがこれらの向上に繋げていきましょう。


【おわりに】
 子が生まれ戸惑いながら人が親になるように、私自身も迷いと戸惑いを抱えつつ皆さんにこの道しるべを示し、今年度理事長を務めさせて頂きます。
 どうか心一つに、一年後この思いがカタチになるよう力を貸して下さい。

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